当記事では以下の情報を科学的エビデンスに基づき共有します。
- インターネットポルノ中毒の概要
- インターネットポルノ中毒の代表的な症状
- 中毒からの脱却方法
特に以下症状のいづれかが自覚される方は既にインターネットポルノ中毒である可能性が高いです。
- 静止画で性的興奮を覚えづらい
- 相互合意の通常的な性コンテンツより、暴力的/犯罪的な内容のコンテンツに性的興奮を覚える
- インターネットポルノに慣れ、通常の性行為に興奮を覚えづらい
インターネットポルノ中毒とは
インターネットポルノ中毒とはインターネットポルノに過剰の魅力を抱き、生活の一部としてその視聴を組み込んでいる状態を指します。
例えば以下のような状態はいずれもインターネットポルノ中毒状態を言えるでしょう。
- 学校や職場から帰宅後、インターネットポルノの視聴が日常となっている
- 自慰行為をする際はインターネットポルノの視聴が不可欠となっている
- インターネットポルノの視聴を1週間中止すると落ち着かない、無気力感が生じる
- 通常の性行為で興奮しづらい、勃起不全や射精障害が生じている
インターネットポルノ中毒は2010年代から疾患者が増加していることが確認されています。
これはインターネット接続端末の個人所有率の増加、およびインターネットポルノサイトの拡充により引き起こされたと考察されます。
またインターネットネイティブ世代(例えば1995年生まれ以降)にとって、思春期からインターネットポルノの視聴をしていた人も多いでしょう。様々な研究結果から、インターネットポルノ視聴を始めた年齢が低いほど後述する中毒症状が強く現れることが示唆されています。
代表文献リンク:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0747563213001210
インターネットポルノ中毒の症状
インターネットポルノ中毒の症状は「視聴したい気持ちを抑えられない」だけではありません。非常に恐ろしい症状を引き起こします。
- ポルノ視聴時間や検索時間の増加
- 通常性行為時に興奮しない。勃起不全や射精障害が生じる
- より暴力的・犯罪的・逸脱的な性癖への転換
- 脳の報酬系(神経回路)の変化、それに起因するうつ病などの精神障害
以上が代表的な中毒症状です。
恐ろしい事に、すべての症状においてQOL(生活の質)を大きく落とすことが分かっています。
インターネットポルノ中毒の脱却方法
インターネットポルノ中毒症状から脱却するための臨床的な研究はあまり進んでいません。
しかし一つだけ確かな 中毒症状からの脱却方法が確認されています。
それはポルノの視聴を1か月~3ヵ月中断することです。
重要な点は、「自慰行為をしない」ではなく「自慰行為をしても良いがポルノの視聴をやめる」ことです。
ポルノ中毒者の脳(特に報酬系を支配する灰白質)は健康体よりも縮んでいることが確認されています。
これを再起動するためには1~3ヵ月のポルノ断ちが必要となります。
まとめ
インターネットポルノ中毒により生活の質が落ちる人は今後も増加し続けるでしょう。
中毒症状と脱却方法の理解を深めることで、この問題をコントロール下に置くことが可能です。
既に中毒症状が現れている方は一度ポルノ断ちを試してみることが建設的な改善方法でしょう。
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